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「食堂と応接間」から「LDルーム」という空間に変わっていく中で、ダイニングからリビングまでのトータルセットの需要が増えていたのですが、飛騨ではまだまだトータルで出しているメーカーが少なく、一刻も早く開発をする必要がありました。
それまでのシラカワデザインは曲面曲線美のふっくらスッキリとした路線。そのスタイルを「ルノアール」で一旦完結させ、新しいシラカワのスタイルをつくることも目標のひとつでした。
木部はスオウの赤みがかった紫とヒワダの黄みがかった紫色を合わせて現代の和の色を求め、張地には藍染めの色と日本古来の更紗文様を再現したのですが、すべて最高の仕上がりにこだわった為、色を出すにも大変苦労しました。 蘇芳(スオウ)はマメ科の植物で正倉院の御物として現存する古代染料の一つ、檜皮(ひわだ)はその名通りヒノキの樹皮を剥いだもので、国宝や重文などの屋根にも使用されています。どちらも日本古来から高貴な色として使われていて落ち着いた雰囲気を醸し出します。 出来上がった商品に対し、取扱店舗では「売れるわけがない」「是非やってみたい」という両極端の反応でしたが、当時トータルで100万円を超えるような商品はほとんど無かったため、社内でもそういった反応があることは予測していました。
シラカワの哲学でもある「一品の量産」。これは、大量生産しやすいようデザインされた製品との差別化であり、だれも真似出来ないものをつくるというシラカワの姿勢です。 和家具か洋家具のどちらかしかなかった当時の家具業界に、和洋モダンという新しいジャンルを開拓した和魂の功績は大きく、和の世界にモダンの新風を吹き込んだ「日本人が現代の感覚で使える和家具」という独特の世界観は「和蘇」「素技」などシラカワデザインの第2世代へと続いていくのです。 |
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